正確性の向上、迅速性の向上、効率性の向上、コミュニケーション能力の向上、専門知識の深化など、具体的な改善策を提案します。
さらに、定期的なフィードバックの要求や目標設定の重要性にも触れ、評価されない状況を打開するためのヒントを提供します。
この記事を読むことで、あなたが自身のポジションを見直し、モチベーションを維持し、場合によっては転職市場での自分の価値を高める方法まで学べます。
わたしは転職を13回経験しましたが、通算しても経理職が一番長いです。
あなたが経理の仕事で直面する課題を乗り越え、キャリアを一歩前進させるための一助となるでしょう。
経理の仕事が評価されない理由
経理職といえど、大きな企業で数人で構成している場合や、小規模の企業で経理が一人しかいない場合があります。
経理課があるような企業は、自分を評価してもらうのは直属の上司ですが、経理一人だと評価するのは直接社長や間接的に他の営業などの部門になります。
規模の大小はあっても、経理職は企業の財務健全性を守る重要な役割を担っています。
しかし、営業などの成績が目に見える職種と違って、経理は貢献度が適切に評価されないことがしばしばあります。
経理職が評価されない主な理由は、以下の点に集約されます。
- 間接的な貢献
- 成果の見えにくさ
- 専門性の高さと理解の難しさ
- コストセンターとの見なし
間接的な貢献
経理業務の成果は、正確な財務報告やコスト削減などを通じて間接的に企業の業績に貢献しているが、これらは短期間で目立つ成果として現れることが少なく、その価値を見出しにくい。
成果の見えにくさ
経理の仕事は、日々の会計業務、財務報告、予算管理など、裏方に徹することが多く、その成果が直接表に出ることが少ないため、営業など成績が目に見える職種と比べて評価がされにくい。
専門性の高さと理解の難しさ
経理の専門性が高く、業務内容を他部門の人たちが理解し、適切に評価することが困難な場合が多い。そのため、経理の貢献度や重要性が十分に認識されにくい。
コストセンターとの見なし
経理部門がコストセンターと見なされ、収益を直接生み出す部門と比べて評価が低くなりがちな点もある。
経理の仕事が上司に評価されるためのポイント
経理部門の上司からの評価を向上させるために重要な7つの要素について説明します。
7項目について3~4つのポイントを紹介します。
- 正確性の向上
- 迅速性の向上
- 効率性の向上
- コミュニケーション能力
- 専門知識の向上
- 定期的なフィードバックの要求
- 目標設定
正確性の向上
経理の正確性を向上させるために以下のことを実行しましょう。
- データチェックを徹底する
- 記録を取る
- 知識を常に更新する
データチェックを徹底する
経理業務のキモは数字です。数字を転記するときは、注意を払い間違いがないか確認します。
他の人が手が空いていればダブルチェックしてもらうのも有効です。
ExcelやGoogleスプレッドシートで入力規則を設定して、特定の形式や範囲のデータのみを入力できるように制限する機能を使ったり、数式や関数を使ってデータの整合性を自動的にチェックすると間違いに気づきます。
記録を取る
間違いをなくすために、やった仕事の詳細を記録しておき、必要な時に見られるようにします。
仕事の手順を書いたり、決めた理由をはっきり書いたりすることが含まれます。
記録はクラウドストレージやデータベースに保存しておくと、安全に簡単に見られて、失くしたり壊れたりする心配も少なくなります。
知識を常に更新する
最新の会計ルールや法律の変更を学び続けて、仕事に生かします。
定期的に研修に参加したり、業界のニュースをチェックしましょう。
また、専門的な資格を取得したり更新したりすることで、知識を深め、正確性を高めることができます。
経理の正確性向上のため、データの徹底チェック、詳細な記録の保持、最新の会計ルールへの知識更新が重要です。
迅速性の向上
経理の迅速性を向上させるために以下のことを実行しましょう。
- 優先順位を設ける
- 時間を上手く使う
- 仕事のやり方を見直す
優先順位を設ける
どの仕事を早くやるべきか、毎日の仕事リストを作って、大事な仕事には「A」、次に大事な仕事には「B」、あとでいい仕事には「C」とラベルをつけて順番にやります。
また、予定外の急な仕事が出たときのために柔軟なスケジュール調整も重要です。
時間を上手く使う
その日の仕事計画を立てて、時間を無駄にしないようにします(例:集中できる時間に難しい仕事をやる)。
タイマーを使って仕事の時間を測り、短い休みを入れる「ポモドーロ・テクニック」を使って、集中を続けて疲れを少なくします。
雑用はまとめてやって、大事な仕事に集中できる時間を作ります。
仕事のやり方を見直す
定期的に自分の仕事のやり方をチェックして、いらない手順をなくしたり、早く終わる方法を見つけたりします。
これには、前にやった仕事を振り返って、どこに時間がかかったか、どうすればよくなるかを考えることが含まれます。
同僚や上司と情報を共有して、もっと早く仕事ができる方法を学ぶのもいいです。
さらに、テクノロジーを活用して、自動でできる仕事は自動でやるようにして、手でやる時間を減らします。
経理の迅速性を高めるには、タスクに優先順位をつけ、時間を効率的に管理し、作業方法を見直すことが重要です。
効率性の向上
経理の効率性を向上させるために以下のことを実行しましょう。ただ、新しいツールを職場で使用する際には、上司の許可を得ることが重要です。
- 自動化ツールの提案
- レポート統一の提案
- スキルを常に高める
自動化ツールの提案
ツールを使って業務プロセスをどのように効率化できるかを分析し、具体的な提案をします。
たとえば、定例的な作業の自動化、エラーの削減、レポート作成の時間短縮など、ツールを活用した改善策を上司やチームに提案しましょう。
AIツールを使うことで時間を大きく節約できます。
レポート統一の提案
経理の報告書の形式を統一して、作る時間を短くすると、間違いを減らすことができます。
同じテンプレートを使うことで、報告書の質を保ちながら、効率よく作業できます。
これにより、新しいスタッフもすぐに仕事を始められるようになり、研修の時間も短くできます。
スキルを常に高める
最新の会計基準や税法、会計ソフトの知識を常に新しくして、効率的に仕事をする方法を保ちましょう。
また、他の部門とうまく働くためのコミュニケーション能力も磨きます。
これには、定期的に外部のセミナーやオンラインのコースに参加したり、専門家のワークショップに出たりすることが含まれます。
これらの方法で、いつも変わるビジネスの状況に柔軟に対応し、チームの生産性を上げることができます。
経理の効率性向上には、自動化ツールの提案、レポート形式の統一、最新の知識習得が重要です。これにより作業時間短縮とミス減少が期待できます。
コミュニケーション能力
経理のコミュニケーション能力を向上させるために以下のことを実行しましょう。
- 分かりやすく話すこと
- 上司の話をよく聞く
- 自分から話をする
分かりやすく話すこと
日常の仕事の報告や、問題を話す時には、簡単ではっきりと伝えることが大事です。
数字や事実を使って説明し、上司がすぐに状況を理解して、正しい判断ができるように助けます。
メールや書類を作る時も、大事な点を強調して、上司が大切な情報を見逃さないようにします。
上司の話をよく聞く
話すだけでなく、上司の言っていることをしっかりと聞くこともとても大切です。
上司の指示や意見をよく聞いて、わからないことがあれば質問をして、間違いを防ぎ、スムーズに仕事を進めましょう。
このプロセスを通じて上司と信頼関係を築くことができます。
自分から話をする
経理の仕事は細かいことが多く、上司がすべてを把握していないこともあります。
自分から情報を共有したり、提案をしたりして、上司を助けましょう。
例えば、仕事を効率よくする方法や、コストを減らす提案、改善点などを積極的に話して、部署の成果を上げるのに貢献します。
経理のコミュニケーション能力向上には、明確に話し、上司の話を聞き、自ら情報を共有することが重要です。
専門知識の向上
経理の専門知識を向上させつつ、自己成長を上司にアピールしましょう。
- 最新の知識を学び続ける
- 会計ソフトとデータ分析をマスターする
- リスク管理と内部統制の理解
最新の知識を学び続ける
経理関連の最新の会計ルールや税法を常に把握するために、セミナーや研修に積極的に参加しましょう。
専門雑誌やインターネットの情報も活用して、常に最新の情報をキャッチアップすることが重要です。
そして学んだことを上司に報告し提案することで、信頼される存在になります。
会計ソフトとデータ分析をマスターする
会計ソフトの使用スキルは必須ですが、データを分析し、重要な情報を抽出する能力も同様に求められます。
Excelの高度な技術やその他の分析ツールの習得を目指しましょう。
これにより、仕事の効率を上げるとともに、上司の意思決定を支援することが可能になります。
リスク管理と内部統制の理解
会社の財産を守るためには、リスク管理と内部統制が欠かせません。
内部統制の規則を理解し、金銭管理や不正防止策を学ぶことで、問題を早期に発見し、解決策を提案できるようになります。
この能力は経理課の上司にとって非常に価値があり、会社全体の信頼と安全を守るのに役立ちます。
資格取得の取り組み
会計や経理に関連する資格(例えば、簿記の資格など)を取得するための勉強をしていることをアピールする。
資格取得に向けた進捗状況や試験日など具体的な情報を共有し、その過程で学んだ知識を実務にどのように活かしているかを示すと良いです。
スキルと取り組みを通じて、経理の専門知識を向上させるとともに、自己啓発への積極的な姿勢をアピールしましょう。
資格取得の取り組みや自主的なオンラインコースの受講などを通じて、上司に自己成長への意欲と実績を示すことが、高い評価を受ける鍵となります。
定期的なフィードバックの要求
上司から定期的なフィードバックをもらうために以下のことを実行しましょう。
ちなみに「フィードバック」とは、行動や成果に対する評価や感想、意見などをすることです。
- 定期的な上司との話の設定を要求する
- 具体的な質問をする
- フィードバックを真剣に受け止めて改善する
定期的な上司との話の設定を要求する
経理の上司に直接、自分の仕事のフィードバックを定期的にもらうための時間を設けてほしいと提案しましょう。
毎月か3ヶ月ごとにチェックしてもらえると、自分が何を期待されているのか、どのくらいうまくやっているのかがはっきりします。
具体的な質問をする
上司からフィードバックをもらう時は「もっとどうすればいいですか?」というような漠然とした質問ではなく、具体的に質問しましょう。
「このプロジェクトの進め方で改善点はありますか?」や「このレポートをもっと効果的にするにはどうしたらいいですか?」といった具体的な質問が良いです。
フィードバックを真剣に受け止めて改善する
フィードバックをもらったら、それを前向きに受け止めて、どう改善できるかを考えましょう。
フィードバックに基づいて具体的な改善計画を立て、次のフィードバックの時までにそれを実行します。
その結果と取り組みを上司に報告することで、成長しようとする意欲と改善に向けた取り組みを見せることができます。
自分から積極的にフィードバックを求めてそれを改善につなげることで、上司から高く評価されるようになります。
目標設定
目標設定をするために、以下のことを実行しましょう。
- 具体的な目標を立てる
- 経理部門の目標に合わせる
- 定期的に進捗を報告しフィードバックをもらう
具体的な目標を立てる
「SMART」という考え方を使ってみましょう。
これは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性がある(Relevant)、期限が定められている(Time-bound)、という意味です。
例えば、「今月中にレポートの処理速度を20%上げる」という具体的な目標を立てます。この方法で目標を立てると、進捗がはっきりしやすくなります。
経理部門の目標に合わせる
自分の目標が会社や経理部門の大きな目標にどう貢献できるかを考えてみましょう。
たとえば、経理部門の作業効率を上げる、コストを削減するなどです。自分の仕事が、経理部門や会社全体の目標に貢献する目標を設定しましょう。
定期的に進捗を報告しフィードバックをもらう
自分で目標に向けた進捗をチェックし、その結果を上司に報告しましょう。
また、目標を達成するために必要なサポートやアドバイスを上司からもらうようにしましょう。
これによって、上司とのコミュニケーションが増え、目標に対する熱意を示すことができます。
目標設定をしっかり行うことで、上司から高く評価されるチャンスを増やすことができます。
目標設定は、自分の成長にもつながり、組織内での立場を向上させる効果的な手段です。
これら7つの要素を意識し、実践することで、経理部門の上司からの評価を向上させることが可能です。
上司に評価されていない時のモチベーション維持法
経理は日々の業務をしているだけでは、上司に評価されにくいです。
上司に評価されるまでは、実行し始めてからタイムラグがあるので、それまで自分自身のモチベーションを保ち、職場での立ち位置を見直しましょう。
- モチベーションの保ち方
- 職場での立ち位置の見直し
モチベーションの保ち方
自分の業務が企業にどのような価値をもたらしているのか、具体的な成果や成功事例を定期的に振り返りましょう。
また「上司に評価されるためのポイント」でも紹介しましたが、自己成長のために新たなスキルや知識を学ぶことで、モチベーションを高めることができます。
同業者のコミュニティに参加し、情報交換を行うことで新たな視点を得ることも一つの方法です。
自分自身の業務への認識を高め、モチベーションを維持するために、目標設定を明確にし、それに向かって着実に進むことが重要です。
職場での立ち位置の見直し
上と同じですが、職場での自分の立ち位置を見直すためには、まず自分の業務がチームや組織全体にどのように貢献しているかを明確にすることが重要です。
自分の業務の価値を他のチームメンバーや上司に伝え、理解してもらうことも必要です。
また、他部署とのコミュニケーションを積極的に行い、経理業務の重要性や影響を広く伝えることで、職場内での認識を変えていくことができます。
自分のスキルを活かして、他の業務にも貢献することで、自分の立ち位置をより強固なものにすることが可能です。
転職を考えている経理職の方へ
経理職はビジネスの世界では不可欠な役割を果たしており、経理のスキルと知識は多くの企業で高く評価されています。
現職で上司に評価されなくても、あなたを高く評価してくれる企業は他にあるかも知れません。
転職を考えている経理職の方々が成功するためには、以下のことが重要です。
- 市場の動向を理解する
- 自己の能力を適切にアピールする
転職を考えている経理職の方に向けて、転職する際の注意点と転職市場での経理職の価値について解説します。
- 転職する際の注意点
- 転職市場での経理職の価値
転職する際の注意点
転職を考える際、様々な要因が頭をよぎるかと思いますが、特に経理職の場合、注意すべきポイントがいくつかあります。
まず、市場の需要と自己のスキルセットがマッチしているかを十分に分析することが重要です。
経理職は専門知識を要しますが、業界によって求められるスキルが異なる場合があります。
また、最新の会計ソフトウェアや規制の変更に対応できるかどうかも、転職の成功に大きく影響します。
転職先を探す際には、これらの点を念頭に置き、自己の経験やスキルがどのように価値を生むかを考えると良いでしょう。
転職市場での経理職の価値
経理職の価値は、転職市場において非常に高いと言えます。
経理は企業運営の根幹をなす部門であり、正確な財務報告は経営戦略の策定に不可欠です。
そのため、経理業務における専門知識や経験は多くの企業にとって価値ある資産となります。
特に、以下の高度なスキルを持つ経理専門家は、転職市場で強く求められています。
- 国際会計基準(IFRS)への理解
- 財務分析
- 予算管理
また、テクノロジーの進化に伴い、会計ソフトウェアの操作スキルやデータ分析能力を持つ経理職も高い評価を受けています。
経理職を目指す方は、これらのスキルを磨き、自己の価値を最大限に高めておきましょう。
まとめ
経理の仕事が上司に評価されないことを克服するためには、正確性と迅速性の向上、効率的な作業方法の採用、コミュニケーション能力の向上、専門知識の深化、そして定期的なフィードバックの要求と目標設定が重要です。
これらのポイントを意識して取り組むことで、職場での立ち位置を見直し、モチベーションを維持しながら、転職を考えている場合でも、市場での価値を高めることができます。
経理職として評価されるためには、以下の点がとくに重要です。
- 正確性と迅速性の向上
- 効率的な作業方法の採用
- コミュニケーション能力の向上
- 専門知識の深化
これらを心掛け、経理としての価値を高め、高い評価を得ましょう。