
転職が当たり前の理由は?
転職が当たり前の理由は、まだ終身雇用を前提としたメンバーシップ型雇用が採用されている企業があったとしても、今後はジョブ型雇用の導入に注目が集まっているからです。
あるアンケートでも、新入社員の20%しか定年まで在籍する予定はありません。
この記事では「転職が当たり前の理由はメンバーシップ型雇用が崩壊しつつあるから」を解説します。
転職が当たり前の理由

転職が当たり前の理由
転職が当たり前の理由の「終身雇用制度の崩壊」と、約70年続いた「制度のメリット」をお伝えします。
- 終身雇用制度の崩壊
- 終身雇用制度のメリット
終身雇用を前提としたメンバーシップ型雇用の崩壊
メンバーシップ型雇用とは、企業の人材採用において雇用契約を結ぶ際に、個別に業務内容や勤務地などを限定しないで契約し、雇用された側は決められた業務に従事するという日本独特の雇用システムです。
ジョブ型雇用とは、雇用契約を結ぶ際に、明確に業務内容・勤務地・労働時間などの労働条件を定めて雇用契約を結び、雇用された側はその契約の範囲内でのみ働くという雇用システムです。
メンバーシップ型雇用は戦後の1950年代から本格的に普及して現在まで約70年続いています。
メンバーシップ型雇用は日本独自の雇用慣行であり、戦後から本格的に普及し現在でも日本企業のほとんどが、正社員雇用においてメンバーシップ型雇用を採用しています。
ところが2019年5月、日本のトップ企業であるトヨタ自動車の豊田章男社長が言った「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」という発言により産業界に衝撃が走りました。
新型コロナが発生してなければ、2020年の雇用の大変革で、終身雇用制度の継続が困難な局面の訪れで、大転職時代が到来して欧米のような転職は当たり前の時代の幕開けになる予定でした。
終身雇用を前提としたメンバーシップ型雇用ならびに年功序列制度が崩壊しつつある理由は、
- 少子化
- 日本経済停滞
- グローバル化の波への乗り遅れ
- 50代問題
- 社内ニート
などの理由で、企業が苦戦を強いられることになるからです。
日本企業は慢性的な人手不足で悩んでいても、働かないおじさんの「50代問題」や「社内ニート」の問題があります。
働かなくても正社員で雇用すると解雇することができず、一旦上げた給料は下げにくいものです。
日本社会全体で賃上げの動きが出ていますが、生産性を上げるための労働市場改革が行われなければ、企業自らの体力が持ちません。
トヨタを筆頭に、従業員の年齢や勤続年数を基準に行われる定期昇給制度の見直しが行われ、ここにおいて日本における終身雇用制度の終焉が見えつつあるのです。
メンバーシップ型雇用のメリット
なぜ日本は約70年もの間、メンバーシップ型雇用だったかというと、終身雇用制度が正社員になれば安定的な収入が得られていたからです。
終身雇用は毎月の生活の安定や、長期の35年などの住宅ローンを組んでマイホームを手に入れるなどの将来的なビジョンが立てやすくなります。
企業の方にも、終身雇用制度のメリットがあり、同じ人材が定年まで働いてくれれば、人材教育費用や中途採用費用が大幅に抑えられました。
新入社員の20%しか定年まで在籍しない

新入社員の20%しか定年まで在籍しない
転職が当たり前の理由ではなく、結果になりますが「マイナビ転職」が新入社員対象に行った調査では、
- 「3年以内に退職予定」約30%
- 「10年以内に退職予定」50%以上
- 「定年まで同じ会社で働く予定」20%未満
で、新入社員の約80%が退職もしくは転職する予定と答えています。
ちなみに、日本のトップ企業であるトヨタ自動車の平均勤続年数も、全国3,000社の上場企業の平均より長めで15.7年ですが、35~40年とかではないです。
終身雇用制度が保障されているにもかかわらず、新入社員の20%しか定年まで在籍する予定がなく本格的に大転職時代が到来しなくても、現実的に転職が当たり前になっています。
会社に在籍しているだけで給料が年々上がっていく終身雇用制度の終焉と、ジョブ型雇用制度の幕開けが近いです。
欧米では、キャリアプランを考えての転職が当たり前です。
今後、日本でも大転職時代が訪れる方向で検討されているので、今からでもキャリアプランを考えておいたほうが良いです。
転職が当たり前という流れが加速して、キャリアアップのための転職がしやすくなればいいと思います。
転職が当たり前なのはコロナ禍になっても同じ

転職はコロナ禍になっても当たり前
- 企業の求人数が減少傾向に転じて転職が減った
- 転職者を迎える中途採用活動を全面的に停止した企業は5.3%
企業の求人数が減少傾向に転じて転職が減った
コロナが落ち着いて企業の求人数が増えれば、企業と転職者双方の利害が一致して、本格的に、転職が当たり前な大転職時代がやってくるでしょう。
新型コロナウイルスの世界的な蔓延が影響して、一時期、企業の求人数が減少傾向に転じました。
世界経済に大きな影響を及ぼした新型コロナの感染拡大により、2015年から増え続けていた企業の求人数は2019年11月をピークに減少に転じたのです。
売り手市場だった転職市場は、人手不足は続いているにせよ、企業の採用計画の見直しがあり、買い手市場に変化しています。
コロナ禍は大企業をも破綻させて、失業者を増加させてしまいました。
新型コロナの終息が見えない今は、企業の固定費の中で削れる経費を捻出しなければ企業の存続が危ぶまれます。
固定費の中でも人件費の占める割合が大きいので、人件費を抑えるために採用活動を控える企業が多く出ていて、新型コロナの影響で全体では求人数が減少している転職市場です。
転職者を迎える中途採用活動を全面的に停止した企業は5.3%
そんな中、株式会社ビズリーチが2020年5月に行ったアンケートによると、新型コロナの影響があるにもかかわらず、中途採用活動を全面的に停止した企業は5.3%にとどまりました。
約半数の企業は、新型コロナ以前と変わらない中途採用活動を継続していて、逆に求人活動が以前より活発になった企業が約1割あります。
コロナ禍でも中途採用活動を行っている企業は「既存事業の維持・拡大/組織力の強化」という理由が最多で、転職が当たり前に行われています。
終身雇用制度の崩壊と新型コロナが終息した暁には、いよいよ大転職時代がやってきて、転職が当たり前になることでしょう。
コロナ禍を経て今後の世界的な傾向としては、現在の働き方に矛盾を感じ、転職を考える人が増えていくでしょう。
コロナが落ち着いて企業の求人数が増えれば、企業と転職者双方の利害が一致して、本格的に、転職が当たり前な大転職時代がやってきます。
まとめ
以上が「転職が当たり前の理由はメンバーシップ型雇用が崩壊しつつあるから」でした。
終身雇用制度を前提としたメンバーシップ型雇用の崩壊と新型コロナが終息した暁には、いよいよ大転職時代がやってきて、転職が当たり前になることでしょう。
転職が当たり前の時代は近くまで来ているので、今のうちからキャリアプランを考えて、
- キャリアアップ
- 待遇面の向上可能性
- 経験の積み重ね
を目指しましょう。

