
残業が多いので辞めたい!
働くことは生きる上で重要な要素の一つです。
しかし、過剰な残業は心身に負担をかけ、ストレスやうつ病などの健康被害を引き起こすことがあります。
残業が多いと、
- プライベートの時間がない
- 身体や精神を壊して病気になったら次の仕事が探しにくくなる
- 過労死のリスクが高まる
になります。
残業が多く、心身の健康が損なわれるほどの負担を感じる場合は、転職を考えることもひとつの選択肢です。
本記事では、8時間労働制の意味や、残業が多い場合に転職することのメリットや注意点などを解説します。
残業が多いので辞めたいなら転職しましょう!

残業が多いので辞めたい!
毎日毎日、残業が続くと嫌になります。
現在、残業が多くて会社を辞めたいと思っている人は、過労死などの手遅れにならないうちに転職活動を始めましょう。
自分一人で転職活動をするより「転職サービス」を利用して転職活動するほうが、効率よく速く次の転職先が見つかります。
転職エージェントの場合は、1社だけではなく、数社併用して利用されることが推奨されています。
転職者は平均4.2社利用していたとのデータがあります。
以下で、平均的な残業時間や転職について解説します。
- 日本の平均的な残業時間
- 残業で健康を害する前に転職
- 転職の時期
- 転職活動に割ける時間を捻出
日本の平均的な残業時間
日本の平均的な残業時間は何時間でしょうか?
2019年に15,000人に行われた105職種別残業時間の実態を調査した結果、日本の平均残業時間は1ヶ月で24.9時間でした。
1ヶ月平均22日勤務するとしたら1日あたり、1.13時間になります。 残業時間が多い職種は「営業」「建築・土木系エンジニア」が多数でした。
一番多い建築・土木系エンジニアの「設備施工管理」は、1ヶ月で41.6時間になります。
上記は平均残業時間です。
個別に見るともっと多い残業時間の企業は多くあるでしょう。
不幸な過労死のニュースも時々聞きます。
くれぐれも働きすぎで過労死しないように、使用者はよく考えていただきたいです。
残業で健康を害する前に転職
残業が多くて会社を辞めたいのなら、健康を害する前に転職したほうがいいと思います。
日本の法律では「使用者は原則として1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。」
ここでいう使用者とは、法人の代表者や取締役のみならず、部長、課長など中間管理職や単なる「責任者」も含まれます。
従業員のシフト管理をしていて、出退勤の命令権などの一定の権限を持っているなら使用者です。
使用者は、1日8時間・1週間で40時間を超えて残業を命じる場合に必要となる「36協定」の範囲内であっても、労働者に対する安全配慮義務を負います。
労働者の健康管理と業務の生産性の両方の観点から、労使協力して残業が減るような企業を目指す必要があります。
1ヶ月の残業時間が80時間を超えていたら過労死ラインを超えています。
8時間労働制は生産性が一番向上します。
それは労働している時間が8時間だとしても、その他の16時間を使ってリフレッシュすることができるからです。
働ける8時間は、働いていない16時間があってこそです。
8時間を超える労働を長期間続けると、過労死のリスクが発生します。
自分の残業時間が多くて、会社を辞めたいと思っている人は、自分の脳血管や心臓からのSOS信号に気づいている人だと思います。
平成13年12月12日付け基発第1063号厚生労働省労働基準局長通達)において、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」では、
発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。
上記のとおり、1ヶ月で80時間を超える残業時間(1日あたり3.6時間)で、過労死(脳血管疾患及び虚血性心疾患等)の発症の関連性が高まります。
もし毎日、残業していたら過労死の危険が高いです。
今すぐ業務改善するか、転職するのがいいでしょう。
残業が多いときの転職の時期
自分の体を一番に考えて、残業が多くてもうこれ以上、無理できないと判断したら、すぐにでも会社を辞めて残業時間の少ない企業へ転職しましょう。
自分の心身と相談して少し猶予があるのなら、在職中に転職活動をしましょう。
なぜなら、自己都合退職では、2ヶ月後からしか失業保険が支給されないからです。
2ヶ月間は貯蓄を取り崩しながらの生活になります。
もらえたとしても、今まで勤めていた会社から受け取っていた金額と同じではありません。
「退職前の6カ月間の給与」を180で割って、算出した1日あたりの日額の約50~80%が失業保険の基本手当になります。
雇用保険の加入期間が10年未満で自己都合退職なら、90日がもらえる上限になります。
転職活動は一般的に3~6ヶ月かかります。
残業が多いので辞めたいぐらい辛いと思いますが、今の会社で転職活動をしつつ次の仕事が見つかってから転職したほうが金銭的に安心です。
在職中の転職ができずに前職を退職してしまった場合は失業中の生活の足しにするために、雇用保険や再就職手当の申請をしましょう。

ただ、雇用保険は前職でもらっていた金額の50~80%(60歳~64歳は45~80%)しかもらえません。
再就職手当は、所定給付日数の3分の1以上の支給日数が残った状態で就職した場合は、一括でもらえますが60~70%しかもらえません。
生活を安定させるためのおすすめは、在職中に次の転職先を見つけることです。
次の転職先は転職サービスをかしこく利用して、早期に効率的に探しましょう!
残業が多くても転職活動に割ける時間を捻出
残業が多いあなたは、転職活動をする時間がないので、なんとかして転職活動に割ける時間を捻出しなければなりません。
残業しなければ帰れないほど仕事が多くて無理かもしれません。
できるだけ8時間以内で仕事を終わらせる気持ちで、テキパキと仕事をこなしましょう。

転職活動中の3~6ヶ月の間の時間の目安です。
残業が多くても毎日約1時間は確実に確保して、
- 求人情報を見て企業研究
- 履歴書や職務経歴書などの応募書類を作成
- 面接の準備
をしましょう。
面接は、有給を使って行くことになります。
相手の企業側も、応募者が時間がとれないことはある程度考慮してくれるでしょう。
1次面接では、現職の就業前の朝8時前からもしくは、夜19時以降に調節してもらいましょう。
2次面接では、社長や役員、部長などの面接があります。
有休は2次面接以降で取るようにしましょう。
時間を有効活用するために、有休が取れた日には、1社だけではなく、複数社の面接に行けるように調整しましょう。

繰り返しますが、自分の体を一番に考えましょう。
残業過多でもうこれ以上、無理できないと判断したら、すぐにでも会社を辞めて残業時間の少ない企業へ転職しましょう。

8時間労働制の意味?

8時間労働制
そもそも8時間という基準になる時間は、いつどのようにして始まって、どういう意味があるのでしょうか?
なぜ労働時間を8時間にしているかは、労働者の健康を保証するためということも一理あります。
しかし、世界的な長年の研究や実験で、8時間が一番、生産性が上がるためでした。
- 8時間労働制の世界的な流れ
- 8時間労働制、日本では
8時間労働制の世界的な流れ
残業と関係のある8時間労働制の世界的な流れをみてみましょう。
労働時間の起源は、約500年前に英国で出された「王令」が最初です。
朝5時から午後8時までが拘束時間で、間に2時間の休憩を入れて実質、13時間の長時間労働でした。
その後、19世紀初めの産業革命で労働時間はさらに増えて、普通は14時間労働、長いときには16時間から18時間も働いていました。
残業というより、今の8時間労働を元にすると、1日で2日分働いていたことになります。
当時の資本主義の考え方では、一定の賃金で少しでも長時間働かせたほうが生産性があがると考えられていました。
しかし、あまりにも長時間働かせていたので、労働者の健康被害や能率低下、生活の崩壊が顕著にあらわれました。
1800年代から世界各地で、長時間の労働環境を改善する動きが出はじめました。
ヨーロッパで行われた、どの労働時間がいちばん生産性が高いかの実験では、多くの職種で8時間労働が一番効果的で生産性の向上がみられました。
アメリカのシカゴで労働者が権利を要求するメーデーの第1回目が、1886年5月1日に行われました。
8時間労働制を要求するストライキで、
- 第1の8時間は仕事のために
- 第2の8時間は休息のために
- そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために
を目標に行なわれました。
欧米の8時間労働研究や時間短縮の実績で、8時間労働は世間的にも浸透していきました。
8時間労働制、日本では
日本でも、1890年に8時間労働の実験が、印刷工場で行われました。
そして1919年には8時間労働が世界のスタンダードになり、日本でも1947年に労働基準法ができてから8時間労働が行われることになりました。
参考:特集 人はなぜ、8時間働くのだろう | Trace [トレース]
まとめ
「残業が多いので辞めたいなら転職しましょう!8時間労働制の意味?」をお届けしました。
残業が多いとプライベートの時間がないし、身体や精神を壊して病気になったら次の仕事が探しにくくなるし、最悪、過労死のリスクも高まります。
残業が多い会社に在籍していて、得るものより失うもののほうが多ければ、必ず後悔すると思います。
残業が減る兆しが見えなければ、判断は早いほうがいいです。



